ニュースの概要
最難関大学の受験指導に特化した塾「厚胤塾」が、10月17日に長野県松本市で松本校を開校しました。長野県内では上田校、長野校に続く3校舎目です。校舎は松本駅から徒歩4分の場所にあります。狙いは、地元の高校生が県外へ出なくても最難関大学を目指せる学習環境をつくることだとされています。募集の対象は中学1年生から高校2年生までです。高校3年生と卒業生の受け入れは、2027年から順次始める予定とされています。地方都市で、難関大学受験だけに絞った専門塾が校舎を増やしている動きの一つです。
引用元: 最難関大学受験専門塾「厚胤塾」が長野県松本市に新校舎を開校(livedoorニュース)
分析・見解
3校舎目に松本を選んだ理由は、県内の通学圏にある
厚胤塾は上田、長野、そして今回の松本と、県内の主要な駅前に校舎を置いてきました。長野県は南北に長く、鉄道や高速バスで移動できる範囲に人口が点在しています。松本駅から徒歩4分という立地は、周辺の高校に通う生徒が学校帰りに寄れる距離です。
地方の受験指導では、通える範囲に専門塾があるかどうかが最初の分かれ道になります。近くになければ、オンライン授業に頼るか、都市部の寮や下宿に移るかの二択になりやすいのです。駅前に専門校舎が増えることは、この二択に三つ目の道を足す意味があります。
対象を中1から高2に絞った戦略は、長期育成型の表れ
今回の募集は中学1年生から高校2年生までです。高校3年生と卒業生は2027年から順次とされており、開校直後の受け入れ先を意図的に絞っています。最難関大学の入試は、高校の範囲を超える思考力や記述力が問われるため、短期間の詰め込みでは追いつきにくい面があります。低学年から積み上げる設計は、その事情に合っています。
一方で、新校舎では講師や教室運営の体制を整えながら進める必要があります。最初に受け入れる学年を絞れば、指導の質を保ちやすくなります。開校初年度に無理な拡大をしない判断とも読めます。
全国型の大手塾と、地元密着型の塾の間に生まれる空白
都市部では、難関大学向けの専門塾が駅ごとに競い合っています。地方では、総合型の個別指導塾や、高校の補習的な塾が中心になりがちです。最難関層に絞った指導を受けたい生徒にとって、その中間に当たる選択肢は少ないままでした。
長野県内で見ると、国公立の難関大学への進学意欲が高い高校が複数あります。にもかかわらず、受験情報や競う仲間が少ないという声は地方で繰り返し聞かれます。専門塾の校舎は、授業の場であると同時に、同じ目標を持つ仲間が集まる場にもなります。ここに、塾の本当の価値があると考えます。
校舎が増えても、受験格差が自動的に縮むわけではない
通える専門塾ができても、費用の壁は残ります。専門塾の授業料は総合型の塾より高くなる傾向があり、世帯の所得によって選べる人が分かれます。また、中学から通わせるには、保護者側の情報収集と判断も欠かせません。
独自の視点として挙げたいのは、塾の校舎数より、定着率と卒業後の進路データの公開度です。校舎が増えた塾ほど、講師の質が校舎ごとにばらつくリスクを抱えます。地方での専門塾の広がりは歓迎できますが、成果を数字で示せる塾かどうかを見る目が、これから保護者に求められます。
ビジネスへの影響
学習塾の経営者が押さえたい、専門特化の勝ち筋と落とし穴
地方で専門特化型の塾を開く場合、最大の課題は生徒の母数です。最難関大学を目指す層は、地方都市の同学年の中でごく一部です。そのため、一つの校舎だけで採算を取るのは難しく、県内の複数都市に校舎を置き、講師や教材を共有する形が現実的になります。厚胤塾の上田、長野、松本という展開は、この考え方に沿っています。
一方で、専門性を打ち出すほど、成績が伸びなかったときの説明責任が重くなります。合格実績を出す年と出せない年の差が、そのまま集客に響きます。合格者数だけでなく、入塾時点からの成績の伸びを示せる体制が欠かせません。
保護者が塾を選ぶときに確かめたい三つの点
一つ目は、通塾の負担です。駅から近くても、部活動や学校の課題との両立ができなければ続きません。体験授業の後に、一週間の予定表を書き出して確かめてください。
二つ目は、費用の総額です。授業料に加えて、教材費や季節講習、模試の費用がかかります。三年間の総額で比べると、見え方が変わります。
三つ目は、成果の示し方です。合格実績の母数、つまり何人の中の何人が合格したのかを聞いてください。数字を丁寧に説明してくれる塾ほど、信頼しやすいと言えます。受験の準備は早いほど選べる道が広がります。気になる塾があれば、まず体験授業の日程を確認することをお勧めします。